お腹いっぱいな小ヤスリ

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以前連れて行ってもらった小ヤスリ・蒼天攀路が忘れられず、一度目のリベンジは6時間の徘徊の末敗退。

今回ねこちゃんが付き合ってくれて、最初の小ヤスリから6年ぶりの二度目のリベンジとなりました。

まず第一のミッションは小ヤスリに到着すること(笑)

何しろ踏み後が不明瞭。末端壁からガレ沢に出たところでは、真正面に小ヤスリがどどーーーーんと見えて、「あれに向かえばいいんでしょ??楽勝♪楽勝♪」・・・と思うんだけど、正面壁あたりから、あまりに近くて、樹林帯に入ってしまうしで、まったく見えない。

↑ 見えてきた見えてきた♪

トポを見ても距離はとてもとてもいい加減なので、まずは正面壁に向かい、正面壁の下降路を少し行き、あとは岩沿いに行くとなんとか着きます。途中木が倒れてたりして、藪コギになっても、岩沿いに進みましょう。

途中でお会いしたクライマーさんにも、勇気づけられ今回は無事に小ヤスリに到着することができました。

↑ なんて景色のいいところに作ってもらったんでしょうね。このケルンちゃん。

やっと取り付きを見つけ、準備をしていざ出発。
1ピッチ目10B 30メートル。
アルパインのようなぐずぐず地帯あり、ボルダーチックな(たぶんチビだから(笑))フェイスムーブあり、クラック要素ありのにぎやかなルート。
まずねこちゃんのトライ。

目の前の1ピン目にクリップしてから、掴むとぐずぐず崩れていくような草付を越える。そして上に向かってルートが始まる感じの場所で2つめボルトにクリップ。

トラバースして3ピン目にかけるところで試行錯誤の末、惜しくもかけられず選手交代。
一段下に下りて、ピッチを切ってもらい、私に交代。
なるほろ、結構本気なフェースムーブの必要な箇所でした。
クリップをして、ここからクラックなので、やっと好きなところにプロテクションが取れるわ~・・・と安心したのもつかの間。フレアしていて、カムが効かない、ジャムも効かない。このあたりから人格変貌(笑)。
「落ちるわけいかねーだろっ!」「そーかいそーかい、カムが効かないなら、このまま突っ込んでやるー」とかぶつぶつ言いながらのクライミング。
プアプロのままランナウトで突っ込んで、クラックに沿ってなんとかテラスまであがると、トポではボルトがあるはずなのに・・・・・無い。

あれ~???
・・・と探すと、なんと左側の遠く足元。

クラックに沿って登ってきたのに、なんでラインがこっちじゃないんだよ~・・・・・。

登っている途中ではボルトは見えないので、とりあえずはクラックを登り切っちゃうと思うけど。
しかも知っていたとしても、クラックの途中からはそちらのスラブ面にはとっても移りにくいのに・・・・。
ランナウトしてきてるので、最後のカムは遠く下。
細い細い松にランナーを取って、無理矢理自分を安心させ、軌道修正。

最後も気を抜けないスラブで1ピッチ目終了。

猫ちゃんを待ち、2ピッチ目。
10A 15メートル。完全ワイド。
2箇所、体を岩に預けていられるところがあるけど、そこからの動き出しムーブがどちらも核心。
最初の箇所はクラックから動くのが難しく、思い切り体を外に出して、ガストンで体を上にあげてワイドクラックの中に入り込む。
思い切りの必要なムーブ。
・・・・こんな思い切ったムーブできるなんて、自分でも不思議。まだ人格変貌中(笑)

途中でレストと何度かの行きつ戻りつを繰り返し、すごい時間がかかってしまったけど、なんとか2ピッチ目も終了。
最後のテラスへ乗るのも微妙な高さで怖かったぁ。

ザックを上げ、猫ちゃんの到着を待ち、2ピッチ終了。

本当はここから、このルートのメインデッシュ、12Bのボルトルートが始まる。
足元に何もない空間に向かっての離陸。
小ヤスリの頂上へ向かってのクライミング。
心臓が口から出そうなくらいの恐怖と、登っている間にじわじわと広がる恍惚感・・・・・・。

・・・・だったんだけど、下降のことを考えると本日時間切れ。
もし12Bが無理なら登ろうと思っていた、裏側の花唄小路に行く時間も無く、ここから懸垂となりました。

まぁ、ワイドを2本連続で登って、ここまでたどり着いたのが、今の実力というところでしょう。
残念だけど、自分の力でここまで来られて、お腹はいっぱいです。

バックロープを引っ張っては来たものの、50メートルなので、2回に分けました。

1回目の懸垂が終わって、ロープを落とそうとしたときに、トラブル。
下に落ちていたロープが、岩の上に生えていた松に絡んでしまい、引きぬこうとしたら、松が乗っていたA3くらいの岩板を一緒にはがしてしまった。
ロープが岩に絡んだまま引き上げるしかなく、下には誰もいないだろうとは思いつつ、「落石!落石~!!!」と絶叫。
ロープが切れることもなく、ロープからは岩が落ちてくれたけど、やっぱり懸垂は、トラブルが起きやすく緊張する・・・・・。

取りつきまで下り、ロープが無事に落ちて来てくれた時は、本当に肩の荷が下りる。

太陽が落ち始めているので、とにかくザックに荷物を詰め込んで下山開始。
暗くなるまでに末端壁までは下りていたい。

気は急くものの、足ががくがくでスピードが出ないのが情けないところ(笑)

末端壁で小休止。
回復させて一気に下山。
車について、荷物を投げ出したところで、ヘッデン時間となりました。

へたれコンビ、無事帰還です。
猫ちゃん、ありがとうございましたー。

車でジュースをがぶがぶ飲み、塩川ダムでジュースをがぶがぶ飲み、温泉で牛乳をがぶがぶ飲み、サービスエリアでジュースをがぶがぶ飲み・・・・・。
飲んでも飲んでも細胞が水分を欲しがっている感じです。

高速に乗ったのが10時前。
ピークは過ぎていたけど、それでもまだまだ渋滞があったので、中央、富士五湖、東名と乗り継ぎ、夜中の1時に帰宅。

カムフルセット&ロープを背負って小ヤスリまでの往復&ワイドを2本リードで、ここまで精根尽き果てちゃうのか・・・・・。

まだ弱いな~。
でも、一回ごとに強くなっていけるといいなぁ。

蒼天攀路3ピッチ目&花唄小路、そこだけ単発でもできるので、またトライしに行きたい。
興味ある方、いない~??

下2ピッチはもう満足ですけど(笑)

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この記事へのコメント

  1. 私はランナウトマスター
    そこまで強くなれるなんて、スゴ過ぎです

    2ピッチ目のスケールも世界が違い過ぎて、も~何が何だか………3ピッチ目は気を失っていたかも知れないです。(笑)
    良い経験をさせてもらいました。

    まきさんが強くなる手助けくらいしか出来ませんが(笑)、またよろしくお願いします。

  2. ほんとに
    強かったら、アプローチのせせらぎを渡るのに、一旦立ち止まったりしないはずなんだけどね(笑)

  3. Unknown
    また、はし子ちゃんも誘って、女子クラ会しましょーね。

    ・・・言っておくけど、渡渉が苦手じゃないと、この女子クラ会は入れないわよ

  4. Unknown
    あはは。
    強強クライマーから見たら、お散歩レベルかもしれませんが、私たちにはほんとに大冒険♪でした。
    楽しかったです~。

    でもさちさんのブログ見たら、すんごい大冒険に見えますっ。
    私、泳げないから、流されちゃう~っ

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