脱走失敗
とうとう父ちゃんの言動(寝たきりなので、「動」はないけど)がおかしくなった。
昨日、母親が日中病院に行ったら、ベッドの柵が増えていて、看護婦さんに聞いたら、ベッドの下の靴を取ろうとして、落ちそうになっていたんだとか。
んで、母ちゃんを見て話しだした内容が
「脱走しようとしたんだけど、看守に見つかっちゃって失敗したんだよー」
どうも、病院は悪いことをした人が入れられるところで、自分は悪いことはしてないので、脱走しなきゃと思ったらしい。
高カロリー点滴は、ビタミンBを一緒に大量に取らないと脳がやられるので、一緒にビタミンBの点滴も入れろとは言っていたけど、病院側がそのことをよく理解しない。
しょうがないので、絶飲食の中、こっそりとB群を補給してた。
それでもちょっと間に合わなかったか・・・・・・。
まぁ、今回の肺炎の体へのダメージももちろん大きいだろうし、寝たきりなのはしょうがないので、原因は点滴だけではないだろうけど。
はっきりと今日、この日に発症したことがわかる変化だったから、ちょっとびっくり。
自分の親が壊れて行く様を見る・・・と言うのはもちろんショッキングなことで、ふと気を抜くとわんわん泣きそうにもなるんだけど、
目の前の父ちゃんは、ここ数年では考えられないくらい饒舌で、声もよく出てるし、よく表情も動いてよく笑う。
食べ物も美味しそうに何でも食べるし、支離滅裂ながら話が面白いので、不謹慎ながら、次は何を言い出すかとちょっとわくわくもする。
久しぶりに話が弾んだような気にもなる。
このままの状態なのか、少しでも平常が戻ってくるのか、まったく先が見えないステージにまた進んだ。
起こってしまったことなので、どうせ壊れるなら今のような饒舌で極楽蜻蛉な状態だったらいいなぁ。
疑心暗鬼になったり、人を信用できないような壊れ方は、こっちも気持ちがへこむしね。