おじちゃん

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母は長女で、下に弟3人の4人姉弟。

祖父が建築業だったからか、長男は建設会社で働き、次男は建築事務所を開いている。

私が子どものころ、祖母が早く亡くなったこともあり、私の家族は母方の実家で暮らしていた。そのころまだやんちゃな青年だったおじ(次男坊と末っ子)たちとも一緒の大家族だった。

おじにとって私は初めての姪っ子だったから、よく遊んでもらった・・・・というのは間違いで、おじ兄弟のキャッチボールのボール代わりによく投げられてたし、そう言えば、数日前に書いたように私のあごが長いのも、このおじが「お前は本当にあごが長いなぁ」・・・と私のあごを掴んで遊んでいたからだと、今でも信じている。

豪傑で、それなのに真面目で、いつも夢と情熱の塊のような人で、私はこのおじが大好きだった。
このおじが造る家も、好きだった。

去年取り壊してしまったけど、最近まで住んでいた実家は、このおじが建てたものだったし、その前に住んでいた母方の実家は、おじがまだ大学生のころ、祖父に「独立して建築家になれるかどうかみてやるから、家を建ててみろ」と、言われ、大学を休学し、自分で設計して、大工さんたちを管理して建てたんだそうだ。

その当時、個人の家では珍しいコンクリートの家で、大きなウッドデッキのある素敵な家だった。
その家を、要塞や秘密基地やお城に見立てて、私は毎日遊んでいた。

そのおじが今、最期を迎えようとしている。

心臓の検査入院だけのはずが、その手続きに病院を訪れた時に、急に脳梗塞を発症し、緊急入院。
梗塞の部分が大きすぎて、手の施しようが無い。
どんどん進行して、脳を圧迫し続け、脳幹を圧迫し、そして喉の方まで圧迫が下りてきたら、自発呼吸が出来なくなり・・・・・。

と、医者が話している通りに、今、症状が進んでいる。

昨日1日泣くだけ泣いて、今後延命処置はしないと結論を出した、おじの家族たちは、おじが聞いていると信じて、今までの楽しかった話や、自分のことをおじに聞かせている。
私が行った時は、手を握って呼ぶと、まだ握り返してくれたけど、徐々に反応は薄くなってきている。

もう別の世界がおじには見えているのかもしれない・・・・。

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