あれ?ボルト取れちゃった・・・・聞こえなかったことにしたかった今日の一言@毛無岩

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行きます♪
行きます~♪

・・・なんて気軽に返事をして、日が近づいて来れば来るほど、なんだかとんでもないところに連れて行かれるんじゃ????という疑念のマルチ。

こうやって生きて帰ってブログを書いていられるなんて・・・・・な、西上州毛無山開拓物語。

アプローチはここから。
奥まった集落の人に愛されている感がよくわかる、こじんまりとした神社さん。
ここでお参りして、歩きだしです。

前夜出発、適当なところで仮眠して、朝合流したのが、今回ご一緒させていただいたAさん。
チームフェイスブックで知り合った、山岳巡礼俱楽部のメンバー。
遠くから登りは見物させてもらったことはあったものの、一緒に登るのは今日が初めて。

初めての山域で、ボルトやらハーケンやらを打ちながら登る開拓・初登なんかも初めて、初めてづくしの一日の始まりです。

アプローチは2時間ほどの道のり。
先日行った妙義のような(鎖場は無いけど)道を行く。

見えてきた♪見えてきた♪

登山道を少しはずれたところが取りつき。
A氏が昔開拓したボレロや鳥烏帽子岩直上ルートのもう一つ右のライン。

このルンゼを登って行きます。
昨日の雨の影響で濡れているかと思ったけど、思いのほか乾いてて助かった・・・・・・。

ガチャ類をつけていざ出発。

あれ?
私がフォローだとすると、ハーケン回収だよねぇ。
回収したことないので、やり方を聞いてみる。

「あのーあのー、ハーケンてどうやって回収すればいいですか?」

「あっちとこっちからこんこん叩いて取ってね♪ じゃ、行くよー」

そんだけっ??????

・・・と、突っ込む暇もなくA氏出発。
そして、ある程度登ったところで上からA氏の声。

「あれ???ボルトが打ってあるよ。誰か登ったんだねー」

どうやら初登はならなかった様子だけど、ボルトが打ってあると聞いて、ちょっと安心したその心はすぐに次の一言で打ち砕かれた。

「あはは、手で抜けちゃった。あ、これも。もう一本もぐらぐらだよ♪」←実際♪マークはついてはいないんだろうが、私にはこんな感じに聞こえる

とうとう私の登り出し。
思った以上に悪いし、ホールドもスタンスも乗ったそばから、握ったそばからぐずぐずと崩れて行くので、思い切って動けない。
どこが取れても落ちないように、抑える要領で登るので、傾斜は無いけど全身に力が入る。

↑ あの岩峰にダイレクトに行けたらカッコいいんだけどな。

↑ 高度感が出てきた。
雨が降ったらウォータースライダー状態だな。
つまり落石の通り道だよ。
これだけ脆いので、Aさんは落石に気を付けてくれたけど、自然にもボロボロ落ちてくる。
ヘルメットにこんこん当たるし、あの石が空気を鳴らす嫌な嫌な「ヴゥーン」という音がずっと耳元にひびく。
最初のうちは、ビレイ中、こつんと石が当たるたびに「う、撃たれたっ」とかなんとか、一人遊びをしてたけど、数が多すぎるので、だんだんめんどくさくなって(笑)終わり。

2ピッチ目の少し壁が立ってるところは、ボルトが打ってあるものの、フリーで行くのはとんでもなく厳しい。
そもそもこんなぐずぐずの壁に売ってるボルトなんて信用ならないんだから、絶対落ちちゃいけない。
A氏、行きつ戻りつして「足が攣るーーーー」と、苦しい様子。
でも最後に「んじゃ、勝負するよー」の掛け声で見事、フリーで突破!

素晴らしいっ!!!!

何か所か、なんでそっちに向かって行っちゃうんだろうという謎のボルトラインがあったり、なんでここは連打してあって、ここはこんなに間隔空いてるんだろう?なんて、以前登った人と、ボルト越しに会話し、それでも弱点を突いていくと、大体は前のボルトと同じラインを沿って行く。

毎ピッチほぼロープいっぱいに伸びるピッチ。
4ピッチ目は直上ラインに行かずに右真横にトラバース。
この絶対に落ちちゃいけないマルチで、真横のトラバース。
最初の一歩を出すのに、勇気が必要だった~。オブザべをほとんどしない私が、あのホールド、あのスタンス・・・・と、全部組み立てたもんね(自慢にならんが)

ここからは木ありーの、泥泥ありーの、背中と足で突っ張るワイドありーのの灌木地帯。

このビレイ点にもハーケンがあったので、前のパーティーも同じラインだったのかな?

最後はブッシュを歩いて、ほぼ頂上の稜線に出た♪

全6ピッチ。
A氏オールフリーで完登。いやぁ、あの岩をフリーで登るなんて・・・・・と、よくよく聞いてみたら、昔から「グズグズ岩のA氏」と呼ばれていたそうじゃないっ!!!!
登る前に言ってよねっ(笑)

私はと言うと、早くも3ピッチ目くらいで、もう足がパンパンで、だんだんと身体を抑えこむ気力も無くなってくる。
スタンスに乗り込む自信が無くなり、でもあの支点で落ちるくらいなら、と数回リングを使用しフリーならず。

こういう岩を登る精神力はすごいなぁ。
いつものフリーとは、まったく違う世界を垣間見ることができました。

お決まりの頂上写真♪
こないだのぼった妙義を指差したつもりが、ちょっとずれちゃった。

A氏。

登っている間は、寒くもなく、暑すぎもせずに快適。
頂上ではこれ以上ないと言うピーカン♪

やっぱりてっぺんっていいな。
歩いて登っても、岩登ってきても、どっちも好き。

みんなが歩いてくる頂上に、岩を登ってひょっこりと顔を出し、おぉーーーなんて言われるのもきっと大好きだろうな、ナルシストだから(笑)
今日の頂上は無人だったけど。

そして、長い長い下り。
ただでさえ苦手が下りが、この疲れのあとだととんでもなく辛い。

A氏が後ろを歩いているはずの私に話しかけ、「あれ?いない」と言われる始末。

なんとかとぼとぼモードで車まで帰り着き、下仁田清流荘で温泉。
ここは良かった~。ぜひ一度泊まりできてみたい、情緒あふれる露天でした。

さて、日曜日はどうしようかな。
このまま瑞牆本峰に登りに行くと言うA氏。誘ってもらったものの、この足ではあの取りつきまで歩く自信が無い。

中里に悪鬼がいると言うのも聞いているので、そっちに乱入してもいいなぁ。

もしA氏に合流なら場所はわかっているので追えるとして、とりあえず寝不足と疲れをとって考えようと、某所で仮眠。
膝の痛みでなかなか寝付かれなかった。

この時点で瑞牆は無、悪鬼も諸事情で引き上げたと言うので、心置きなく帰宅。
夜中にたどり着き遠足終了。

Aさん、一日、ありがとうございました。
刺激的なクライミングでした。
痛てーし、辛いし、怖いし・・・・と、登っていたのに、終わってみると、やっぱり楽しかった~・・・しかでないのがクライミングの麻薬的なところ。

でも、「またよろしくお願いします♪」・・・とは怖くて今は言えない(笑)

帰ってじょんさんに報告。
今日一緒に登ったのはクライミングジャーナルの編集長さんにも「グズグズの岩を登るならこいつ」と言われる人だったんだよーと、言うと

「昔は山の雑誌と言えば、岩雪とクラジャー(こう言うらしい)で、クラジャー読む人は危ない人が多くて、どんどん読者が死んじゃうので、購読者が減って廃刊になっちゃったんだよね~」

うーん、本当のことに聞こえて仕方がない

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この記事へのコメント

  1. マルチ
    やっぱ良いですね~♪ここ登りたい!と思ったルートを自由に登れるって憧れちゃう
    瑞牆ですかぁ~~~この方が行くということは脆いの?

  2. Unknown
    確かに取りつきに立つと、ここ登るなんて気持ちいいっ♪
    しかももし初登なら、ある意味どこを登ってもいい♪
    なんて贅沢なのかしらっ♪

    ・・・岩が硬ければね(笑)

    A氏のあの突破力は、フリーのボルトルートとは違った迫力がありました。

    ちなみに、A氏が行くとこが全部ボロボロと言うわけじゃないと思うよ(笑)
    瑞牆本峰のマルチは、あの頂上にひょっこり(>顔出せるので、ぜひ行ってみたいのだ♪
    今度行こー。

  3. 行こ~行こ~~~♪
    って、いつでしょうね~(笑)
    あの途中にあったクラックも気になるし、
    大ヤスリのてっぺんで珈琲も沸かしたい♪

  4. Unknown
    あの途中のクラックは登ってたら、登山者歩けないね(笑)
    大ヤスリ珈琲は、アブミ練習しなくちゃ(*^^*)

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