お別れの日
仕事で開催している文化講座の講師で、『良寛』の講座を担当してくださっていた、松本市壽氏が先日亡くなった。
全国良寛会の常任理事を務められ、良寛についての知識は大変なものだった。良寛に縁のある場所、もの、人物のところ、すべて自分で赴き、調べ上げていくあの底なしのバイタリティー。
本当に良寛のことが大好きで大好きで、しゃべりだしたらもう止まらない。
講座の講師をお願いできないかと初めて挨拶に行ったとき、挨拶もそこそこに良寛について熱く語り始め、気が付いたら3時間も経っていた。
松本氏と行く「越後に良寛の心を訪ねる旅」、 (2日目)というバス旅行も開催したが、企画の段階で「バスガイドはいらないからね♪ぼくが話す時間がなくなっちゃう」とおっしゃる。
確かにバスが走り出したとたんに、すぐマイクをつかんだかと思うと、横浜から越後までしゃべりっぱなし。現地でもあまりの説明の楽しさ、明瞭さ、詳細さに、参加者以外の観光客が、ぞろぞろとついて来る。
一泊旅行だったので、夜ご飯は旅館だったけれども、お酒はそっちのけで、夜が更けるまで参加者と良寛談議。
思い出すシーン全てが、情熱の塊のような方だったので、なんだか実感がわかない。
ご冥福をお祈りいたします。