快晴のベルジュエール!

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強烈・・・・・・。

↑ 超快晴っ。条件、状態は最高っ。

↑ うーん、金持ちカム持ち。

とうとう来てしまった・・・・ベルジュエールトライの日。

最初にこのルートの名前を聞いたのは10年近く前になるかもね。

以前小ヤスリを登ろうと、迷って出た白くまのコル。
ここからの景色も忘れられず、いつか・・・とは淡く思ってはいたものの、まさか私が登る日がくるなんて・・・・。

なーんて、きっと強い人にしてみたら、本気マルチの入門編なのかもしれないけど、今の私にしたら、グレードも長さも厳しいものでした。

と言うわけで、ベルジュエール劇場の始まり♪始まり~♪

連休なので何パーティーか入るだろうという予想の元、早めに出発。

登り出しは9時。

1ピッチ目 11B/C 30M はっしーリード

がばがばの下部~カチをつないでフェース部分~ポケット。

今回は二人ともオンサイトグレードが11B。
マルチだと言うのに、いきなりオンサイト最高グレードのピッチからの開始。
はっしーも苦戦したけど、私はもしや敗退っ??・・・・と思うくらいの危うさ。
このグレードのルートを、ザックを背負って登るのがどんなに大変か思い知りました。
一応フリーで抜けようと努力はしたものの、体力を残しておきたいのと、時間が勝負なのとで、抜けること優先。A0でなんとか。核心を抜けてからのポケット部分では、腕が荷物の重さでパンプがひどくて、がっちりかかってるのに、体が上げられず愕然。

・・・・波乱の予感の1ピッチ目。

2ピッチ目 5.8 30M おまきリード

スラブ 右から左のトラバースの後、ハングの脇を上へ。上のテラスの木まで。

いろんな記録を見ても、メンタルはここが一番厳しいと書いてあったけど、確かかも。
ボルトは1個。後は錆びれたハーケンが何枚か。
カムを決める場所が無いので、ハーケンにかけて行きました。
出だしのトラバースは、ぬんちゃくを掴んで通り過ぎ、上部。
細かい結晶にも乗り切れないし、スメアリングも特別効く訳でもなく、乗り込み切れずに何回かハーケンだと言うのにテンションがかかってしまいました。

何回かのトライでやっと抜けて終了。
出だしは半べそ、終了間際はグレードの数字にだまされた怒り心頭で登ってました。

3ピッチ目前半 5.7 30Mの半分 はっしーリード

薄いフレーク~ポケット(本来は枯れ木まで伸ばすのかもしれないけど、枯れ木手前の凹角まで)

なんか音を立ててバリっ!!!・・・と取れそうなフレーク。
あまり印象に残らないピッチ。

3ピッチ目後半 5.7 30Mの半分 おまきリード

凹角を枯れ木まで

泥が詰まってて、ジャムが決められるとこまで手が入らない。
なんだかストレスの溜まるクラック。
ねてるので落ちはしないけど、なんだか気が落ち着かないピッチ。

枯れ木を越え、そのまま左壁のクラックを登ろうとしたけど、どうもカムが心もとない。

一度は登りだしたものの、途中フィストが効かない微妙な大きさになってしまい、ノープロで突っ込む勇気がなかったので、一度下りて、枯れ木まではっしーをあげる。

4ピッチ目 10A 15M はっしーリード

本来私のピッチなんだけど、そのままはっしーに行ってもらう。
これは本当にクラックらしいクラック。

今回のマルチの中で、一番クラックらしいと思った。
フィストが効かない微妙な幅から、いきなりシンハンドに変化する。
ここを越えると白くまのコルに出る。
このあたりから周りの景色に高度感が感じられるようになって、しばし風景に見とれる。
始まりかけた紅葉が澄み切った空気に映える。
もう少しゆっくりしていたいところだけど、時間が迫っている。
ここで下山用の靴をデポして、次へ。

5ピッチ目 10A 20M はっしーリード

チムニー~大フレーク~左へトラバース

ベルジュエールと言えば、この写真・・・と言ってもいいくらいの看板ルート。
チムニーから大フレークに。
大フレークはレイバックで豪快に登る。
大フレーク前で一個、次のカムがフレークの最後で、しかもレイバック体勢なので、最後のカムを決めるまで、ビレイも緊張した。
フォローの私もノーテンで行けたけど、大フレークの最後を掴むのが苦しく、最後の1手を取るまで、隣のルートを登っている強強パーティーの方が応援してくれた。ありがとーございます。

こんな高いところで、応援の声がかかるなんて嬉しい。

6ピッチ目 5.7 30M はっしーリード ← あれ?

ロクスノでは、「チムニーに慣れていないと意外に奮闘的な動きが強いられることに・・・」なんて書いてあったっけ。

奮闘的だとぅ????

これは生きるか死ぬかのピッチじゃねーかっ!!!

途中リングが一個あるだけで、ノープロピッチ。
ビレイヤーからは、ほとんど何をしているかが見えない。

向こうの方からずりずりずりずりずりずりという音と、うんうん唸ってる声がしてくる。
一瞬半身が見えるんだけど、どうみてもカッコいいムーブではないのに、死闘を繰り広げる戦士に見える・・・・・・←言いすぎ??

このピッチのフォローは本気で辛い。
多分全ピッチの中で、体力的に一番きつかった。
完全チムニー登りになるので、ザックをぬんちゃくでハーネスにぶら下げて登る。
いろんな体勢でスタックすることはできるんだけど、登りだすのが本当に辛かった・・・・。
カムも取れないから、カムエイドも出来ないし・・・・。
ビレイヤーのところまで行った時には、足ががくがく。

これは奮闘的ではなくて

「死闘」だよっ。

7ピッチ目 Ⅱ級 15M おまきリード・・・・とは言わんな。歩き。

8ピッチ目 5.7 20M おまきリード

チムニー~フィンガー
チムニー・・・というよりは、立体的になっている岩の間に入り込み、そこからスラブ&フィンガークラックの方が印象に残るルート。
チムニーだとばかり思って、大きなカムだけを持っていったら、最後でやられた。
偶然エイリアンの青だけ持っていたので、それを一つ決めた。
結構怖いピッチ。

9ピッチ目 10B 30M はっしーリード

最後の最後でこれがくるかっ!!
と言うようなパワーも要求されるクラック。はっしーはよれていながらも見事にクリア。さすが男の子っ。
最後の左上に行くムーブもバランスが悪い。
私は下部は直上部分がまったく保持できずにカムエイド。フィンガージャムが決まっているのに、これも体がなかなかあげられず苦戦。

10ピッチ目 Ⅲ級 50M おまき歩き

巨岩の上を進む。落ちないけど、あんなに高度感のあるところを、歩くのは心臓に悪い。

ホッとするくらいの立派な松の木がゴール。

11ピッチ目 5.8 20M はっしーリード

最後の最後で、核心がぎゅっと詰まったようなクラックが。
ビレイ点の真ん前にあるクラックを登って、最後は頂上へ向かってのスラブ。

本当に最後の最後まで、緊張してないと登れないルートだ。

そして、ベルジュエールの頂上へ。

わーい♪ やったぞー♪

周りには、自分のいるところより高い岩峰はなく、本当にてっぺんっ!!!!・・・という感じ。

あー、やっぱりクライミングは岩の上に立ってこそだなぁ。

岩の途中にある終了点とは、また一味も二味も違う感慨。

下から後続パーティ、頂上では強強パーティと一緒になったし、時間的にもゆっくり出来ないので、短時間で頂上からの絶景を胸に収めて、下降開始。

この時点で4時。

なんと7時間かかってしまった。

3回の懸垂で白くまのコル。
そこからは歩き。

がくがくの足で、末端壁まで下りてきたころには真っ暗闇。

まぁ、ここからは通い慣れた道でもあるので、ゆっくり、転ばないように、慎重に下山。

やっと駐車場について、振り返ると、月に照らされたみずがきの岩峰。
あまりの綺麗さに感涙寸前。

フリーで抜けられたらいいなぁ・・・なんて、恐れ多いことをちらと考えなかったでもない。
結局はテンション、A0、カムエイドなどなど、美しくない登り満載になってしまったけど、頂上に行き着けたことが、本当に本当に嬉しい。

途中、何度か緊張と疲れで、「こらっ!」・・・と言われることをしでかしたけど、トロい私の登りを、辛抱強く最後まで見守ってくれたパートナーに大感謝。

はっしー、本当にありがとー。

膝と肘があざだらけで、子どもやばあちゃんにじろじろ見られながらの温泉が、とっても恥ずかしかった。

夜中の1時に家に帰って怒涛の遠足が終わりました。

さぁ、限界グレードのフェースを攻めた1日目、体力の限界に臨んだマルチの2日目・・・・明日、無事に起きられるかどうかが楽しみだっ。

総括と反省は明日ね♪

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この記事へのコメント

  1. おめでとうございます!
    と言いたいくらい、頑張った感が伝わりました!
    お疲れ様でした!

    荷物背負って(ひきずって)登るの、辛いですよね。特にチムニーは涙もので、
    カム背負う以上に動きが制限されるので、ホント、キビシーです。

    マルチはやっぱり景色が良いのが気持ちよいですよね!
    頑張ったご褒美をもらった気分になります。

    ベルジュエール、私もいつか登ってみたいです。
    海金剛も、12月くらいになったら行きたいと思ってます。

  2. Unknown
    ありがとー。

    マルチは天気で気分ががらっと変わるもんね~。

    本当にこの日はお天気は最高、岩の状態も最高のマルチ日和でした。

    この天空からの景色、きっと忘れないよ~。

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